どうも、マスコミブロガーのみやてうです。
2019年に入り、新聞業界でも多くの新聞社が本体価格の値上げを発表してきましたが、遂に、ブロック紙(複数の都道府県に跨って新聞を発行している全国紙以外の新聞社)でも西日本新聞が値上げの先陣を切りました。
西日本新聞といえば、九州地方在住の方は知らない方はいないでしょう。
西日本新聞の公式サイトを見ても、値上げの関することは載っていなかったので(当方調べ)、社告の内容や、値上げの内容についてご紹介していきたいと思います。
①そもそも西日本新聞とは?
“西日本新聞”は、“株式会社西日本新聞社”が九州地方広域で発行している新聞になります。
具体的には、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県の5県で発行されているブロック紙となります。
以前まで宮崎県や鹿児島県、沖縄県でも発行されていましたが、今ではその地域での発行は行なっていません。
日本ABC協会調査の正式な発行部数は、朝刊が60万7,945部、夕刊が6万7,274部となっており、九州地方では多大な影響力を誇っていることを伺い知れます。
また、“西日本スポーツ”というスポーツ新聞も、西日本新聞社が発行しているスポーツ紙になります。
ソフトバンクホークス関連の取材に強い印象があります。
西日本スポーツ自体は10万部くらい発行されています。
ちなみに、西日本新聞社の歴史は古く、1877年に前身である“筑紫新聞”からスタートしています。
創刊140年以上も経過している歴史ある新聞ですね。
②値上げの内容。
さて、値上げの内容ですが、2019年5月1日から、月極め購読料金を、朝夕刊セット価格は現行の4,037円から363円引き上げて4,400円に。
統合版(朝刊のみ)は現行の3,093円から307円引き上げて3,400円に改定。
また、駅の売店やコンビニなどの一部売り価格は現行の140円から150円へと10円引き上げる。
いずれも税込み。
ちなみに、消費税関係の値上げ以外での本体価格の値上げは、1994年(平成6年)以降、実に25年ぶりの値上げになるということです。
③社告の内容。
社告の内容です。
「本体価格を25年間据え置いてきましたが、この間、新聞輸送や配達に使うガソリン代、新聞の原材料費の上昇、情報技術の進展に伴う紙面編集・制作の機材の導入、システム構築、更新に要する設備投資など、経営の根幹に関わる費用が増大しております」
と説明した上で、
「本社は要員削減や発行区域の見直し、取材網再編、経費節減など合理化の経営努力を続け、購読料を維持してきたが、こうした自助努力も限りがあり、苦渋の決断の元に購読料を改定させていただきます」
と理解を求めていました。
また、社告は更に続き、
「“ユーフォアニムプロジェクト”と銘打ち“ご愛読感謝キャンペーン”も展開し、毎週日曜日の朝刊に当日の西日本スポーツ1〜3面と最終面の合計4ページを取り込み“サンデーホークス”として届けるほか、朝刊購読者には本紙電子版が追加料金なしで利用できるようになります。
また、各種主催事業への招待券も抽選で贈呈するなど、読者サービスを充実します」
と値上げ後のサービス拡充も説明していました。
更に、「西日本新聞は九州を代表する広域郷土紙として、これからも暮らしに役立つ質の高い情報を発信し、戸別配達網を守って皆様の元に確実に届けます。
不断の経営努力を続け、一層魅力ある紙面づくりと読者サービスに努めます。変わらぬご愛顧をお願いいたします」
と西日本新聞社の広報部からもコメントが掲載されていました。
④西日本新聞が値上げをした今後の影響。
西日本新聞が値上げの社告を出して以降、ツイッター上で反応を見てみましたが、あまり大した反響は見られず・・・。
しかし、その中で今後の業界全体の流れに沿うようなツイートを発見。
西日本新聞、グッジョブ‼️
— 夕サ力八ルヒコ (@HAL1966_) 2019年4月18日
購読料値上げも全然許すYO❣️ pic.twitter.com/60mI52uzb0
と、値上げ以降、朝刊購読者は、西日本新聞電子版を利用することができることに付いて、肯定的な意見をツイートされていました。
別の記事で、2019年1月から値上げを実行した全国紙の読売新聞についてまとめていますが、今回の西日本新聞と読売新聞の値上げ後の対応策って、結構似通っているんですよね〜。
どういうことかと言うと、両社ともに、「値上げをするけど、その代わりに新聞を購読していれば電子版を無料で利用できるよ」と唄っているのです。
ここでのポイントは2つあります。
一つ目は、新聞電子版をあくまで紙の新聞を補完するものとして捉えているということ。
二つ目は、今年に入り値上げをした地方紙(県紙)の社告では、基本的に値上げの理解を求めるだけで、新たなサービスについて言及している新聞社がほとんどいないことに対して、全国紙とブロック紙で値上げを先行している読売新聞社と今回の西日本新聞社は、値上げ後のサービス拡充として明確に社告にそのことを載せているということです。
一つ目に関しては、読売新聞と西日本新聞は、基本的に今後も紙の新聞を第一にして販売していくという姿勢を対外的にもはっきりと表明していることになります。
販売部数が多いということは、系統販売店も多いということ。系統販売店が多いということは、紙の新聞が無くなったら路頭に迷う店長やスタッフが大勢出るということになります。
日本経済新聞のように、ほとんど系統販売店を持たない新聞社は電子版へ簡単に舵を切り替えられますが、系統販売店が多い新聞社はそうゆうことが出来ないんですよね〜。
逆に、きちんと取引先である系統販売店のことを考えている新聞社ということにもなります。
二つ目に関しては、やはり全国紙・ブロック紙と地方紙の“人・もの・金”に関する差が顕著に出ていると思います。
値上げをすると同時に、新事業を起こすということは、やはり人手やお金がかかることですから。
そういう点でも西日本新聞は九州地方の中でも強い新聞社ですね。
⑤まとめなど。
西日本新聞は2019年5月から値上がりしますが、購読者は電子版を無料で利用できるようにするなど、これから面白いサービスも始まりそうです。
いま西日本新聞を購読中の方は、すぐに購読を中止するのでは無く、電子版の使い勝手を見てから購読を続けるか辞めるか検討されてみてはいかがでしょうか?
僕も、西日本新聞が今後どのような具体的サービスを行っていくのか、とっても気になっています。
いま西日本新聞を購読されていない方で、電子版などが気になる方は、こちらのリンクから購読申し込みページに飛べます。
いまなら1週間無料で試し読みもできるようです。
※ちなみに、もし「それでも西日本新聞を止めるよ〜」と決めている方は、別記事にて新聞社ごとのコストパフォーマンスを調べてみましたので、他の新聞を検討される際の何かの参考になれば幸いです。
※上記のコストパフォーマンスランキングで1位だった朝日新聞の1週間無料試し読みを体験しました。その時のことを記事にしてみました。
以上、みやてうでした。
では。